自分の時間を取り戻そう

動機

新コロナウィルスの影響でリモートワークが始まった。自分の時間が増えると思っていたが、増えるどころか周りからの問い合わせが増えたことで全く自分の時間が持てていない。
リモートワークの環境整備のために部屋を掃除していてたまたま見つけたこの本から、自分の時間を取り戻す方法を知りたいと思う。

忙しい理由は?

忙しい人々の例を紹介した後、忙しさの本質的な問題は「生産性の低さ」であると言っている。生産性が低いので一定量の仕事を行うために長時間をかけて行う、それが良くないと言っている。
生産性が低いので高くすると書いてあるが、ベーシックインカムの例を見ると、生産性をあげるというよりは、無駄を省くというほうが正しいかもしれない。とにかく生産性を高める努力をすべきだ。

生産性をあげると損をする?

本書の中で、生産性を上げても意味はないと言っている登場人物がいる。
その理由は以下の三つ。

  • 生産性を上げても給料は増えない。
  • 自分だけ生産性を上げたら自分だけ仕事が増えて損をする
  • 生産性を上げて働く時間が短くなったら残業代がもらえなくなってしまう

なんとなく言いたいことはわかる。自分が働いている会社も残業代がないと生活できないような給与体系だ。昇進するには社歴が必要となるので、生産性が高いからと言ってすぐに昇進することもできない。
こういった環境のためいわゆるぶら下がりの管理職がたくさんいて、その人たちの分まで自分が仕事をしていると思うと損をしていると感じるというより、怒りが込み上げてくる。

しかし、こういった考え方は残念な人の考え方だと著者は一蹴する。
我々は今所属している組織において最適化するのではなく、労働市場、ひいては世界と戦うための最適化を行わなければならない。今所属している会社の枠組みで考えていると、会社がなくなったときにどうするのか?再就職もできず、生活もままならなくなるだろう。

では生産性をあげるにはどうしたら良いのだろうか。

リソースに敏感になる

忙しい人はなにが足りないと感じているかというと時間だ。時間はとても貴重なリソースで、それを無駄遣いしないようにすることが、生産性を高めるための第一歩だと著者は言っている。
その他にも貴重なリソースはあるかもしれないが、それは人によって異なる。まず、自分にとって貴重なリソースはなにかを考えることが重要だ。

また、お金と時間のトレードオフを理解した方が良い。お金を稼ぐために時間を使うことがあるし、時間を節約するためにお金を使うこともある。人それぞれによって重要度は異なるし、ライフステージによっても重要度は異なる。まずは無駄遣いをしないようにするということだ。

自分もリモートワークを開始してから働く環境(=自分の部屋)を構築するのにお金をかけた。
ディスプレイ・キーボード・メガネ・イス(アーロンチェア)など、まあまあお金を使ったが、仕事の環境を整えるためならもったいないとは全く思わない。お金を使うことで時間を効率的に使えるのであれば安い投資だろう。

欲しいモノを明確にする

先ほどは利用するリソースについて考えた。次はそのリソースを使って手に入れたいモノについて考える。
同じことを行っても、人によって目的はさまざまだ。自分が欲しいモノ、手に入れたいモノ、働く理由、ここにいる理由、この会社で働いている理由などを突き詰めて考えなければいけない。自分が本当に欲しいモノを理解していないと、いくら生産性を高めたところで、無駄になってしまう。

生産性の高め方

これまでリソース(時間、お金などのインプット)と欲しいモノ(アウトプット)について考えた。これらは生産性を構成する二つの要素である。生産性を高くするということはインプットを減らすかアウトプットを増やすかのどちらかである。

その1 働く時間を減らそう

では具体的にどのように行っていくのが良いかそのヒントを見ていこう。まずはインプットの方から。

  1. 1日のそう労働時間を制限する
    仕事の時間を制限すれば、仕事を早く終わらせるためのスキルを自ずと身につけようとする。その思考と実践が生産性の向上をもたらす。

  2. 業務ごとの投入時間を決める
    仕事全体の時間だけでなく、各業務での時間配分を決めてしまう。大事なのは、ありえないと思えるくらい時間の足りない予定表を作ることだ。時間の足りない中でどうやって終わらせるかを試行錯誤することが大事だと著者は言っている。

  3. 忙しくなる前に休暇の予定を入れる
    休むためだけでなく生産性をあげるために休暇の予定を入れる。

  4. 余裕時間をたくさん確保する
    いわゆるバッファをたくさん取る。バッファを取っておいて、仕事がなければ普段考えることができないことについて考える時間に使うのが良い。仕事が入った場合はその仕事をこなすのに使うのがいいだろう。

  5. 仕事以外のこともスケジュール登録する
    すべての時間が仕事のことばかりにならないように予め予定を入れておく。休暇の予定と同様、予定を入れておくことで生産性をあげることができる。

働く時間を増やすことで仕事を終わらせるのは一時凌ぎでしかない。自分も今はその一時凌ぎでなんとか仕事を終わらせているが、継続可能な働き方ではないことは重々承知している。いつか体を壊してしまうだろう。なにかしらやり方を変えない限り、この状況からは脱出できない。やり方を変えるということが生産性をあげるということである。

その2 全部やる必要はありません

1ではインプット(リソース)を制限した。次はアプトプットの質を高める。やるべきことはたくさんある。優秀な人ほど仕事が集まってくる。しかしそれは自分がやりたい仕事なのだろうか?全て自分で行わなければいけない仕事なのだろうか?
自分がやるべき仕事を厳選するというのがここで考えるテーマだ。

  1. 「全てをやる必要はない」と自分に断言する
    全てやろうと思うと、なぜか大して重要でない仕事に時間を奪われる。というのも多くの場合、「重要で価値の高い仕事」は「やれば終わる仕事」ではないからだ。反対に、「どうでもいいような仕事」、「優先度の低い仕事」の中には時間をかければ終わる仕事がたくさん含まれている。
    そのため、全部やろうとするとほとんどの人が最初に「やれば終わる仕事」に手をつける。確かに自分も進んでいる感が欲しくて、やれば終わる簡単な仕事から終わらせて、仕事全体のボリュームを減らしたいのでやれば終わる仕事を先にやっているかもしれない。こうしていると、重要な仕事に割当てられる時間は減ってしまう。
    仕事の段取りとしては最悪だと著者はいう。なので、「全ての仕事を終える必要はない、重要な仕事だけ終わればいい」と考えて仕事の優先度を守ることが大事だ。

  2. まず「やめる」
    ただやめるというよりは、自分が無駄だと思っているが周りの目を気にして行っていることを止めるということだ。行きたくない飲み会などはその典型例。リソースを消費しているということを認識しよう。

  3. 「最後までがんばるところ」は厳選する
    この仕事、この分野は本当に自分の大事な時間を投資すべきことなのだろうか?と自問してYESであればがんばる。この意識を持つことが大事である。やりたいことはたくさんある、がそれが全てできるほど人生は長くない。

  4. 時間の家計簿をつける
    自分の生活の中で、「生産性の低いこと」「止めるべきこと」を探すには、1週間でいいので朝から晩までなにをしていたか1時間ごとの詳細な行動ログを取ることが役に立つ。時間泥棒を見つけて排除しよう。昔はtogglを使っていた。

まとめ

  • 自分が忙しすぎると思っているのは、生産性が低いから。生産性をあげるべきだということである。
  • 生産性をあげるにはインプット(リソース)を減らすか、アウトプットを増やす(質をあげる)かどちらか
  • リソースを減らすにはリソースの重要さに気付きできるだけ仕事の時間を減らすこと
  • アプトプットを増やすには、無駄なことはしない、注力すべきことを絞ること
  • 生産性をあげることで、次のステージへいくことができる。

もうちょっと生産性について深堀りしてみようと思う。


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