東大首席が教える超速「7回読み」勉強法
背景
この本を読む前、コンビニでたまたま超勉強力という本を買って読んでみました。脳科学者の中野信子さんと、この本の著者の山口真由さんの共著だったのですが、この時初めて山口さんが努力家であるということを知りました。その方が提唱する勉強法を知りたいと思い、この本を購入しました。
全体的には著者である山口さんの勉強ヒストリーが半分以上ですが、学べることも多かったのでまとめたいと思います。
第1章 「頭がいい人」がしていること
この章では勉強についての心構えなどが紹介されています。まず、頭がいい人というのはどう人なのでしょうか?
頭がいい人 = 勉強ができる人 = 勉強法を確立している人
ということです。
成功体験を重ねて自信を作っていく
何かに失敗しても、ミクロな視点とマクロな視点で考え方を変えます。
- ミクロな視点
次は間違えないように気をつけて、二度と同じ過ちは繰り返さないようにする(ネガティブな思考) - マクロな視点
あまり気にしない、自分はできると自信を持つ
やればできると思う気持ちは大事です。だからこそがんばることができると思います。わたしも普段はエンジニアとして仕事をしていますが、経験のない技術だとなかなかうまくいかないことがあります。そういった場合でも「やれば必ずできるんだ」と思うことで、前向きに努力できています。そして、できなかったことができるようになり、成功体験をすることで、その気持ちがより強化されていきます。
勉強法を確立するためには自分を知ること
人それぞれ得意・不得意が違ったりします。勉強法にも個人の得意・不得意が影響します。なので、自分にあった勉強法を探すことが大事です。
ですが、この7回読み勉強法は誰にでもフィットすると著者は言います。
著者が思う7回読み勉強法に必要な要素
7回読み勉強法に必要な要素は大きく2つあります。
メンタリティ(心構え)
- 勉強は楽しいものではなく、努力が必要と心得る。
- 楽しくないからこそ最短距離で目的を達成しようというモチベーションが生まれる。
- 目的・目標に対しては「できる」という自信が不可欠。できないような目標は立てない方が良い。
勉強の方法
- テキストを理解しようとせず何度も流し読みする。
- 「繰り返し読めば理解できる」ことを成功体験としてしっかり刻み込む
成功体験を刻み込むことは大事ですね。ただ、勉強は楽しくないものなのでしょうか?わたしは本を読むのが好きなのですが、その行為というよりは知識を手に入れてわかったと思う瞬間が楽しいのかもしれません。ですと、最短距離で行った方がいいですね。
第2,3章 私の勉強ヒストリー
第2章、そして第3章も同じですが、著者である山口さんの学生時代(第3章は社会人時代)の勉強方法を振り返っています。
第2章、第3章を読んで心に残っていることは、周りのすごい人たちについていけるかどうかという不安を感じだ時、その不安を払拭すべくより勉強に集中したという点です。こういった努力により、周りの人たちに負けない学力を身に付け、不安を吹き飛ばしたことが成功体験となっているのでしょう。そして、より勉強へと向かわせるのだと思います。わたしもまずは成功体験を築きたいと思います。
第4章 7回読み勉強法とは?
大きく本を読む方法が3つ紹介されています。
- 平読み(普通に読む)
- リサーチ読み(調べ物をする時)
- 7回読み
7回読みの特徴
- 読むことの負荷が小さい
流し読みなので読むことの負荷が小さい。読むことのハードルが低いので、読む機会が増える=習慣になりやすい - 情報をインプットするスピードが速いこと
- いつでもどこでもできること
スキマ時間にも気楽に行うことができる
認知から理解へ
山口さんがおっしゃる「知らないことは理解できない」という点は理解できます。ある程度知っていることであれば理解できるけど、全く知らないことであれば聞いてもちんぷんかんぷんになることは多々あります。
7回読みの初めの1、2回目で、知らないことを知るという認知のステップを踏むことで、後の理解をスムーズに行うことができるという点が、7回読みのポイントだと思います。
7回読みの方法
それではやっと7回読みの具体的な方法をみていきたいと思います。
最初の3回は輪郭線作りの作業
- 1回目
「見出し」を頭のノートに写し取る感覚で読む。見出し同士の関連を把握する - 2回目
全体を流し読み。全体のアウトラインや構造を頭に入れる - 3回目
2回目とほぼ同じ。アウトラインをより詳細・明確にしていく
ここまでは、これから読むための土台づくり。ここでははっきりとした意味がわからなかったとしても気にしなくて大丈夫です。
4回目以降で絵が出来上がってくる
- 4回目
よく出てくるキーワードを意識して読む。そのキーワードを理解しよう、覚えようとしなくてよい。よく出てくると感じ取るだけでよい。 - 5回目
4回目とおほぼ同じだが、キーワードとキーワードの間の文章を意識する。キーワードとキーワードの間をつなぐと、その段落の要旨をつかめるようになる。要旨を掴むことがとても重要である。 - 6回目
ディテールにも目を向ける。6回目以降は答え合わせ感覚で読む。自分の理解があっているかどうか読んで確認する。 - 7回目
6回目を終えると、頭の中のノートにだいたい本が写しとれているはずです。7回目でしっかりと定着させる
という感じです。7回読みは可能であれば1日で行うのがよいと書かれていたと思うのですが、これだけやるのは結構大変ですね。
書く作業
自分の理解した内容をアプトプットすることで、自分の理解が正しいかどうか答え合わせができます。書く作業は7回読みの序盤で行わず、終盤で行うようにします。読みながら重要な部分だけ書くのもよいということです。(この文章も読みながら書きました)
どういった本を読むのがよいか?
では実際に7回読みをするとして、どういった本が適しているのでしょうか?著者が思うもっとも重要なポイントは 「網羅性」 です。
学ぶべきポイントがもれなくカバーしている本がよいということです。流し読みで全体把握をするからこそ省略されると困るということですね。1冊で足りないようなら複数冊読むのもよいのかなと思います。いろんな本と比較して一番よさそうな至極の1冊を見つけたいですね。
逆によくない本の例として、図が多い本はよくないとのことです。カラフルな図の多いキャッチーな初心者向けの本は避けた方がよさそうです。オライリーの本が好きな自分としてはそういった本は選ばないと思いますが、知らないことを知る認知のためだけに購入するのであれば、そういった本もよいでしょう。
第5章 努力とやる気を持続させる「メンタルコントロール術」
やり方はわかったので、次はやり続けるコツが紹介されています。
やる気が起こらなくてもとりあえず椅子に座って本を開いて読んでみるのがよいということです。わたしも仕事のやる気が起きない時は、とりあえず仕事に取り掛かってみたりします。体を動かせば気持ちは後からついてきます。
また、やらないことで罪悪感を感じるくらいなら、先にやってしまう方が自分にとってよさそうです。
自分だけで制御が難しい場合は、外部の力も借りましょう。自分の目標を外部に公開して、やらなければいけないという程よいプレッシャーを自分にかけるようにしましょう。
疲れて集中できない時
疲れて集中力が下がってきたら、以下の3つを変えてみましょう。
- 目先を変える
目が疲れたら耳を使うなどする - 場所を変える
家→カフェなど、環境を変えることでリフレッシュする。今のコロナ禍ではちょっとやりづらいですかね… - 科目を変える
JavaScriptからRubyに変えるなど
第6章 なぜ学ぶ?なにを目指す?自分と向き合うと見えるもの
必要な知識は勉強して頭に入れることはできますが、必要と思えること(知的好奇心を持つということ)が大事になってきます。知らない、わからないことはそのままにしておかず、調べてみることが大事だと思います。調べた先からまた知らなことが見つかり、知識の広がりが出てくると思います。
知らないことは全然怖くありません。学ぶ方法を知っているからです。逆に知ろうとしないことは怖いです。いわゆるバカの壁を作らないようにしましょう。
文庫特別書き下ろし ハーバードでも通用した!英語版「7回読み」勉強法
7回読みは英語の本でもできるというのが最後に書かれていました。洋書のPDFを読もうと思って購入しますがなかなか最後まで読みきれません…どうやって7回読みをするのでしょうか?
英語の場合は否定を目標とする
英語の場合、長い単語、固有名詞に多くの情報が含まれているので、文字が集まって黒くなっている箇所を重点的に読むのがよいということです。
ですが、それだけでは足りないようです。否定の目印(not, never, doesn’t)を探して読むと流し読みが上手になるということです。https://pragprog.com/のPDFで試してみようと思います。
まとめ
この勉強法の大きなメリットは、気軽に勉強に着手できるということだと思います。スキマ時間に本を流し読みしようと思えることが勉強の機会を増やし、結果的に学べている状況を作り出すと思います。
今はまだ7回読みによる成功体験ができていないですが、今とても面白いと思っているJavaScript Primerや、買ったばかりのジェネレーティブプログラミングといったボリュームが大きい本で試してみようと思います。