3000年の叡智を学べる 戦略図鑑

動機

3000年の叡智を学べるということで、それなら是非学びたい!と思って買いました。
孫子などはどの時代でも読まれて共感できる内容。
気になった点だけをまとめていきます。

序章

  • 戦略とは追いかける指標である

第1章 古代・中世・近代の戦争戦略

孫子の兵法

物事の1つの側面だけにとらわれると、勝利の可能性を失ってしまう!
→いろんな方面から物事を考えられるようにならないといけない

  • 敵の強みを避けて戦う
  • 戦かわずして勝つことが最善の策
  • 勝つために必要なことは武力のみでなはい

相手を力でねじ伏せるのが目的ではなく、勝つことが目的であるということ。
正面からぶつからず、目的は何なのかをちゃんと認識したいです。

チンギス・ハーン

敵の全てを学びとし、自分の強さに変えていく

ニコロ・マキアヴェリ

生き方を変えられる者が永続する

状況こそが常に「最善手」を決める。
状況に応じて変化できるのが賢明な人間。

と言うことは、絶対的な正しさはないということですね。
同じことをやっていても状況によっては良かったり悪かったりするということ。
状況を見て何が正しいのかを柔軟に考えれられるようになりたいです。

第2章 競争戦略

マイケル・E・ポーター

業務効率の改善と戦略的な行動は違う

業務効率の改善

業務効率の改善は競合他社よりも類似の活動を上手に行うこと。
同じ行動をより効率の良い方法で行うと言うことですが、行動自体は変わっていません。

戦略的な行動

  • 競合他社とは異なる活動を行う
  • 競合他社と類似の活動を異なる方法で行う

これらはイノベーションと呼ばれるものですね。
業務改善は今の延長上のもので、必要ではあるが大きく変わるのは難しいです。
やはり戦略的な行動をとって、イノベーションを起こし、大きく変化したいですね。

ビジョナリーカンパニー

会社こそ究極の作品と考える

ビジョナリーカンパニーでは、優れた商品ではなく、商品を作り続ける「会社そのもの」を見ている。
個別の製品より、究極の作品として「会社を作る」目標を持つ方が、長期的な優位性を生み出すことができる。

ビジョナリーカンパニーは、1,2,3と読みましたが、やはり2がおもしろかったです。
一番覚えている内容は、誰をバスに乗せるかという点です。一緒に働く人がいかに重要かを説いた点がその当時(2010年くらい)一番刺さりました。今思ってもとても重要なポイントだと思います。

第3章 競争を避ける競争戦略

ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略

差別化を行うには?

5つの要素(価格、サービス、アクセス、商品、経験価値)に焦点を絞り、1点で支配的に、もう1点で差別化、残りの3点で業界水準を達成するように設計する。

ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略のメリット

  • コモディティ化に陥らないための法則であること
  • 限られた経営資源で選択と集中を可能にすること

心理的アクセスも意識する

現代のアクセスには2つの力学、「物理的アクセス」と「心理的アクセス」がある

わたしが携わっているWebメディアで考えると、「物理的アクセス」はSEOだったり、SNSだったり、アクセスする際のページ表示速度だったりするのかなと思いました。
「心理的アクセス」はなんでしょうか。そのWebメディアへの好感度(プレファレンス)だったり、どれくらい日常に溶け込んでいるかということでしょうか。テレビCMも有効かもしれません。
Webメディアだったり、その運営会社だったりがどれくらいユーザーに好かれているかが重要だと思う。

第4章 産業構造の戦略

テンセント

戦略のポイント

  • マネしながら、元のモノを大きく超越する。
  • ユーザー体験を極限まで分析する
  • 競合とは「全く違う視点」に切り替える

ジェフ・ベゾス

Amazonが売っているのはモノではない、客がモノを買うときの選択・判断を助けることで儲けているとのこと。

ジェフ・ベゾスはイノベーションのジレンマを研究してKindleで破壊的イノベーションを狙った。破壊的イノベーションの定義を知ったことで、狙っていけるようになる。

第5章 実行の戦略

経営は「実行」

結果を出したければ、

  • アイデアや戦略を練る
  • そのアイデアや戦略、目標を形にするため、実行のプロセスを組み立てフォローする

の2つを両立せよ

「実行」は成功に不可欠な知的要素

目標達成に必要な2つの知的要素

  • アイデア
    • すばらしい目標(思考の領域)
  • 実行・具体化
    • 達成へのプロセス設計(実行の領域)

絵に描いた餅は食べられない。ビジネスも人生も思考の領域だけではなく、実行の領域の充実ではじめて成功する。

計画だけ立てていても、実行しなければ意味がないです。あれやりたい、これもやりたい、といろいろやりたいことがたくさんある状態でモヤモヤするより、まずは実行することが大事だと思います。進めてみてまたわかることも出てくると思います。

リーダーこそが「実行」を加速させる

リーダーの仕事は単なる管理ではなく、「率いる(実行を加速させる)」ことである。
あなたがリーダーならば「部下の実行を加速させるために、何ができるか?」を常に自問すべきである。

「人材」「戦略」「業務」のプロセスで実行する

リーダーは組織内に「実行を容易にする仕組み」を作るべきであり、確実な実行力が組織の成果を際立たせる。

わたしもリーダーであるので、部下のアウトプット、パフォーマンスをあげるにはどうすればよいか?を考えたりします。
わたしが思う重要な点は2つで、

  • チーム、組織、会社に貢献したいと思う意識を育む
  • 生産性をあげる

です。この2つができていればすばらしいチームができると思います。
この2つを行うためにわたしが気をつけているのは、

  • 働く環境を整えること
  • 自分で考える癖をつけること

です。働く環境を整えてあげることで、生産性も上がりますし、会社への恩返しの意味も含めて貢献しようと思うと思います。
また、いつまでも言われたことだけやっているようでは、なかなか成長できません。
仕事をお願いするときも全ては伝えず、どうすればいいと思いますか?と思考を促すようにしています。

ハイ・アウトプット・マネジメント

マネージャーの仕事は部下と組織のアウトプットを最大にすること!

そのために必要なことは3つ

  • 組織構造を適切に維持する
  • マネージャーを効果的に機能させる
  • 部下の能力を最大限に引き出す

組織構造を適切に維持する

「知識パワー」と「地位パワー」を結びつける。
正しい情報や最新の技術者を持つ者と、地位を持つ人々はたいてい異なる。両者を効果的に結びつけよう。

マネージャーは「自分の仕事の定義」を知るべし

マネージャーのアウトプットは、「自分の組織のアプトプット」プラス「自分の影響力が及ぶ近接諸組織へのアウトプット」
マネージャーはよい影響力をうむため、効果的な情報の収集と提供が必要

部下の能力は「訓練」と「モチベーション」で引き出す

マズローの五段階の欲求。上になるほどモチベーションは長続きする。
部下のタスク習熟度によってマネージャーは対応を変える。ティーチングが必要なのか、コーチングが必要なのか。

モチベーションのレベルが高まると、部下は自律的に最高の成果を追求するようになる。正しいステップを設計して部下を助けよう。

ティール組織

「人の創造性」と「働く喜び」は両立できる!

組織の参加者全員が賛同する「存在意義」と、効果的な自主運営を可能にする「組織ルール」の2つが両立できれば、成果は上がる。

目指すのは自然な欲求を解放できる「ティール組織」

ティール組織は人、組織、社会の3つの欲求を解放してエネルギーにしている。
集団には固有の欲求があり、社会には目指すべき目標があり、人にも独自の想いがある。
3つを稼働時に解放することが最大の力を引き出す。

ティール組織やインテグラル理論を読んだことがあるのですが、最初の組織の色分けでだいぶつまずきました。本質的ではないところでつまずいてしまったのでよく理解できていないのですが、各々の人生の目標へ向かいながら仕事をすることで、パフォーマンスがあがるのかなと思いました。

第6章 イノベーションの戦略

ピーター・F・ドラッカー

問題ではなく、機会に資源を投じるべき!

何を行うべきか、やめるべきかは、「業績をもたらす領域」「コスト構造分析」「マーケティング分析」「知識分析」の4つでわかる。
4つの分析は、自社の行動が適切な焦点を持っているかを教えてくれる。成果を生み出す行動に集中できているか、定期的に確認すべきである。

市場シェアを目標にするのではなく、自分の会社の製品を選ぶ理由があることが利益を生み出す。

ゼロ・トゥ・ワン

小さな市場を最初に狙い、「独占」に成功して利益を得てから拡大することが、大きな成功には欠かせない。

「独占」こそが利益を生み出す

利益は競争ではなく、独占から生まれる。
簡単だからと言って、誰もができるビジネスを始めては行けない。利益は常に、独占的なポジションから生まれるためである。

独占企業となるには4つの特徴を備える

  1. プロプライエタリーテクノロジー
     非公開の重要技術を持ち、優位性を強固にしている
  2. ネットワーク効果
     利用者の数が増えるほど利便性が高まる
  3. 規模の経済
     規模が大きく拡大するほど固定費の割合が低くなる構造を持つ
  4. ブランディング
     ブランドは認知されると独占への強い手段となる。

「独占してから拡大」が基本

成長のため、まずは小さく初めて独占せよ。
小さな市場に狙いを定めて独占し、やがてポジションを拡大していくことが望ましい。

第7章 IT時代の戦略

プラットフォームレボリューション

成長を急加速させる「2つの相乗効果」
「ツーサイド・ネットワーク効果」によって加速が加速を生む。

本書の例はAirbnb

  • 家や部屋を提供するホストの増加
  • Airbnbで宿泊予約する人の増加

Uberも相乗効果でうまくいっている例だと思う。

GAFA

姿を現しつつある支配的な力学の真価を、もっともよいタイミングで見抜いたのがGAFA

イノベーターではなく「支配者」になれ

GAFAすべて最初のイノベーターではなく実は後発組だったが、「支配的な力学」を最初に見抜いたものだった。

GAFAの成功を後押しした8つの遺伝子

  1. 商品の差別化
  2. ビジョンへの投資
  3. 世帯展開
  4. 好感度
  5. 垂直統合
  6. AI
  7. キャリアの白漬けになる
  8. 地の利

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