東大教授が教える独学勉強法
みんな勉強したい(はず)
みんな勉強したい、新しいことを学びたい、まだ自分が知らないことを知りたいと思っている(はず)。
新しいことを学ぶのにできるだけ最短距離を走っていきたいと思っています。
その方法を本書から学んでいきたいと思います。
勉強の本質は考えること
今の時代、これだけ情報が溢れている中で、自分にとって重要な情報かそうでないかを取捨選択していかなければならない。
その取捨選択を行うための基準を作っていくことが学問であり、ここに学問を学ぶ理由が存在します。
また、
- 答えのない問題を考える
- 独創的な考えを発信する
- 情報を加工し、新しい情報を作る
など、自分で学び、自分で考えることが必要とされる時代になってきていると本書では説明しています。
独学というもの
独学というのは自分の頭で考えて判断するという繰り返しの中で、知らないうちに周りに左右されずに生きていく力が身につくものであると説いています。
情報に流されることなく自分の中で軸を作り、その軸を基準に物事を考えられることができるようになれば一貫した学びが続けられそうです。
独学のメリット
本書では独学のメリットはいくつか紹介されています。
- 自分のペースで勉強できる
- 自分の理解度にあった教材で勉強できる
- 人に簡単に聞けない分、自分で考える癖がつく
- 自分で自分を評価する力がつく
個人的には1番目、2番目のメリットはそれほど大きくないように見える。大事なのは3番目、4番目。
3番目はこの本で言い続けられている自分で考える力を身につけるということであり、本書のテーマでもある。
4番目はちょっとわかりづらいが、結局は自分が今どれくらい理解していて、どれくらい理解していないかを知るということである。自分を知るということがいかに大事で難しいことかということはわかっているつもりなので、これも大きなメリットだと思います。
独学に向く人、向かない人
独学にも向いている人、向いていない人がいるようです。向いていない人は向いている人の考え方を取り入れていきましょう。
向いていない人は、
- 完璧主義の人
- 柔軟に動けない人
向いている人は、
- とりあえずやってみる
- 完璧でなくてもアウトプットしてみる
くらいのいい意味でいい加減な感じの人だそうです。
確かに完璧を目指して考えていることなどをアウトプットせずに自分の中に持っておいてもなににもならないので、とりあえずアウトプットして形にしてみる、そして少しずつ改善していくという形を取った方が最終的に形になるのが早い気がします。
とりあえず思ったこと・考えたことはアウトプットしていくようにしましょう。
勉強を始める前にやっておきたいこと
本書ではいきなり高い目標を掲げて勉強をし始めても続かないことが多いので、勉強をする前の準備を勧めています。
自分に合う勉強のコツを探す
まず自分に合う勉強のコツを探そうと書いてあります。
1回の勉強時間や勉強する場所、時間帯など自分にはどういう勉強の方法が長続きするかを試行錯誤してみることが大事です。
確かに長く続けるためには自分にあった勉強方法を見つけることが大事ですね。
勉強する姿勢をつくる
次に勉強する姿勢をつくることが重要だと記されています。
勉強する姿勢をつくるとはどういうことなのでしょうか?
偉い先生が言っていることや本の内容を鵜呑みにして覚えるのではなく、自分の中でその情報を噛み砕き本当にそうなのか?と思いながら検証を行なって理解するようにするというのが勉強する姿勢を作るということです。
頭を使わずに全てを受け入れて覚えるということではなく、自分で考えて咀嚼し理解するということが大事ですね。知識を増やすのではなくしっかり理解し学ぶようにしましょう。
つねに「自分がどう思うか、どう考えるか」を考えるクセをつける
これは先ほどの勉強する姿勢をつくるでも説明したことですが、新しい情報を得たり学んだりしたときに、その情報を鵜呑みにするのではなく一旦自分の中でどう思うかを考えるようにしないといけないということです。
そうすることで新しい発想が生まれてくると思います。本を読むときによく言われる「著者と会話するように読む」というのもこのことにあたると思います。
テーマを決める
勉強をする前に自分は今なにをテーマにして学べば良いのでしょうか?
本書では「何がわかっていないか」という視点からみるのがよいと記されています。
世の中には解明されていない問題がたくさんあります。山積みの問題の中から自分の興味のある問題を見つけ出すのが良さそうです。
しかしこれは、論文のテーマを考える際には有効かもしれませんが、わたしも含め通常のサラリーマンにとってはあまり現実的ではないかもしれません。
わたしがオススメする学ぶテーマの見つけ方は、3ヶ月で学べるくらいのボリュームで自分の興味があることを事前にピックアップしておき、3ヶ月に1回それを選ぶというものです。
freeeの社長佐々木さんが書かれた「3ヶ月の使い方で人生は変わる」という本がありますが、こちらを参考にさせてもらいました。3ヶ月で一つのテーマに取り組むくらいが飽きなくて集中できてよいという感じです。
新しい分野の学び方
では自分が決めたテーマについて学んでいきましょう。
わたしはすぐに近くの本屋に行って学びたい内容の本をいくつか買ってしまうのですが、どういう風にスタートするのがよいのでしょうか。
とっかかりの入門書を3冊買ってみる
入門書を3冊買うのがよいようです。おもしろそう、わかりやすそうという基準で選んでよいみたいです。
3冊を読むと違いがわかってきて、どれが自分に一番合いそうか考えます。自分に合っている本を読み進めて、本で紹介されている本をまた読んでいくのがよいようです。
本の中ではだいたい別の本が引用されていますよね。わたしもそれでだんだん数珠つなぎで本を買ってしまうところがあります。同じ著者の本だと宣伝の可能性が高いのでそこは気をつけています。
本の読み方
本を読み方として、以下の5つが紹介されていました。
- 本の中に正解を探さない
- 入門書・概説書は2段ステップで読む
- わからない用語は無視・基本コンセプトをつかむ
- マーカを引くより繰り返し読む
- 著者の立場で自分なりの答えを考える
だいたいなんとなくわかりますが、2段ステップで読むというのは、最初は全てを受け入れる形で読み進める、次は書いてある内容を批判的に読んでみたり疑って読んでみたりするというもののようです。
わたしとしては、わからない用語は無視・基本コンセプトをつかむというのが大事だと思ったのと、この本で一貫して言われている自分なりに考えるということがとても大事だと思いました。
ノート・メモの撮り方
著者はノートは作らないようです。本の要約もしないようなので、読書メモ的なノートを作っているわたしとは正反対ですね。
思いついたアイデアなどの断片的な情報はメモをとるようです。確かにこういった情報はメモを取らないと忘れてしまったりしてもったいないのでメモを取った方がいいですね。
電車の中で本を読んでいて思いついた内容のメモをとるのに苦労していましたが、今はスマホを使ってslackで自分宛にメッセージを書くということをしています。
学びを熟成・加工し、アウトプットする
専門書のススメ
専門書を読むことを勧めています。やはりなにかしらを学ぶのであればその道の専門書を読みたくなりますよね。
専門書を読むときも著者のいっていることを疑いながら読むようにすべきだといっています。
学びを熟成させるプロセス
著者は熟成が勉強で一番重要な工程だといっています。
本書の最初の方で勉強は加工業であると説明していました。
知識・情報を取り入れ、自分の中で加工して違った形にしてアプトプットするのが勉強だと説明しています。
加工の中に熟成というプロセスが含まれており、熟成することによって他の人とは違った形でアウトプットできるということでした。
熟成というのはどういう工程なのでしょうか。
熟成は、抽象化とアナロジー、アナロジーからの応用を行うこと、また、自分の理解度を確認しまだわかっていない部分があるということを自分で理解することのようです。
このプロセスは独学だけではなく学問全てで重要なプロセスだと思います。
学びの成果をアプトプットする
最終ステップとして学びの成果を文章にして他人に伝えるということが大事であると説明しています。
文章にするというのが重要で、やはりわかっていないと文章にできないので自分の理解度の認識にもよいと思います。
本書で文章を書くときのポイントとして2点あげられています。
- 自分の言葉で書く
- やさしく書く
自分の言葉で書くことは、自分が学んだ知識・情報を自分なりに加工してアウトプットする作業そのものです。自分の理解の促進にもよいと思います。しかしその分難しいですね。今こうやって文章を書いていても文章を書くことの難しさを痛感しています。
やさしく書けるかどうかで自分がどれくらい理解しているかを確認できる。やさしく書けないところは自分の理解度が足りていない証拠ということでやさしく書くように心がけるべきということです。
まとめ
わたしは勉強が好きで、基本的には人から教えてもらうというよりは本を読んで独学するタイプです。
なのでこの本で独学をする際のヒントを学ぶことができればと思って手に取りました。
自分が思っていた独学の方法がそれほどこの本の内容と違っていなかったので安心しました。
興味がある内容を学び、抽象化、アナロジーなど行って、自分の言葉でアウトプットするというサイクルをこれからも続けていきたいと思います。
何より自分の知らないことを学んでいくということを楽しんでいきたいと思います。