小さな習慣 第4章 小さな習慣を成功させるための心構え

小さな習慣が達成させること

小さな習慣は次の二つのことを達成させてくれます。

  • もっとやりたいという気持ちになること
  • その行動を本当の習慣に育てていくこと

前回では、モチベーションではなく少しの意志の力を使って、やるべきことを続けていくということでしたが、意志の力が有限であろうとなかろうと、小さな習慣を続けていくことに影響はありません。なぜなら、小さな習慣には意志の力はほとんど必要ないからです。

自己消耗の原因5つを振り返る

前回、意志の力を消耗させる5つの原因について紹介しました。小さな習慣はそれらの原因とはなりません。その理由を一つずつ紹介します。

努力

小さな習慣は努力をほとんど必要としません。

困難の自覚

目標(日々行うこと)は小さいので、困難に感じることはほとんどありません。目標を小さく設定することが、困難だと感じなくする1番の方法です。

否定的な感情

否定的な感情とは不快な経験です。小さな習慣は自分にとってプラスになる行動を生活に加えるものなので、基本的には否定的な感情を持つことはありません。

主観的な疲れ

単純な疲れではなく、主観的な疲れです。実際に疲れているかどうかではなく、自分が疲れを感じる状態かどうかということです。疲れはどういう時に感じるでしょうか。わたしは、ストレスを感じるときに同時に疲れを感じます。否定的な感情と同時に疲れを感じたりもします。小さな習慣では、ストレスを感じたり否定的な感情を抱いたりしないので、主観的な疲れは感じません。

血糖値レベル

小さな習慣とはあまり直接関係ありません。意志の力には糖分が必要というが、それほど必要ではなさそう。

習慣と慣性の法則のアナロジー

慣性の法則は

  • 静止している物体は外から力が加わらない限り、静止し続ける
  • 動いている物体は外から力が加わらない限り、そのまま動き続ける

というものです。みなさんご存知の通りですね。

習慣とのアナロジーはそれほど珍しくないと思います。習慣は始めるまでが大変で、始められたら続けられるという考えが元になっています。しかしなかなかうまくいかないのが本当だと思います。それはなぜでしょうか。それは大きく動こうとしているからだと思います。大きく動くには大きなエネルギーが必要です。

小さな習慣はその点、大きなエネルギーは必要ありません。簡単に始めることができて、比較的簡単に動き続ける状態に移行できます。

脳は変化に抵抗する2つの瞬間

脳は大きな変化に直面すると、びっくりして飛び上がり、快適に感じられる日常へ戻ろうとします。脳は変化に抵抗するようにプログラムされています。

脳が変化に抵抗する瞬間が大きく2つあります。

最初のアクションが一番難しい

静止している状態から動き出すまでが一番難しいです。ほんの少しだけ前に進めば、あとは自然に前に進みます。慣性の法則で前に進み続けます。

最初のアクションが本当に簡単なアクションだと動くことができます。それが小さな習慣の利点です。

アクション後に起きる第二の抵抗

小さな習慣から始めてうまくいったあと、もっとやろうとするときに抵抗を示します。脳は大きな変化に抵抗します。大きな変化は警戒すべきです。

大きな変化を起こそうとすると脳が抵抗してしまうので、最低限の課題をこなした後にもっとやりたいと思った時は、もっとやりたい内容を小さなステップに分けて行うように心がけると脳も抵抗しなくなるでしょう。

抵抗の種類

先ほどは抵抗する瞬間をみました。次は抵抗の種類について考えます。抵抗の種類には2つあります。

  • 精神的な抵抗
  • 身体的な抵抗

小さな習慣は上記の2つの抵抗の壁を打ち破ることができます。
以下の2つの場合を考えてみます。

  • 運動するエネルギーはあるが、やりたいと思っていない(精神的な抵抗)
  • 身体的に疲れているので、運動する気になれない(身体的な抵抗)

運動するエネルギーはあるが、やりたいと思っていない

小さなステップを続けるうちに体の動きに心がついてきます。また、続けることで得られるものが魅力的に見えてきて、より続ける力となります。

身体的に疲れているので、運動する気になれない

小さなステップなので、それだけを終わらせてから休もうという気持ちになります。しかし思ったより多くのことができる(少しでは終わらない)。

小さな習慣は一旦始めると勢いがついて、自分ではもうやめられないという気持ちにさせます。意志の力がほんの少ししか残っていないような状況でも続けられるということは、それが優れたやり方だということです。

小さな習慣はライフスタイルに合わせて柔軟に取り入れられる

小さな習慣は忙しいと(個人的に)思っているわたしでも取り入れられそうな気がします。それはやはり一つが小さいからです。

習慣作りの本は基本的に一つの習慣から始めるように提案します。それは、複数続けるのが難しい大きさの習慣だからです。小さな習慣は小さいので複数続けることができそうです(わたしは欲張って4つ設定しています)。

小さな習慣はライフスタイルに合わせて柔軟に取り入れられ、それでいて生活改善のための効果的な「てこ」になります。

まとめ

小さな習慣は小さい分、始めること続けることに意志の力をそれほど必要としません。始めてみると思ったよりたくさん行うことができて、続けることができます。

やることは小さなステップなので忙しい人にも柔軟に取り入れることができます。やりたいことがたくさんあっても、一つに絞ることなく複数始めることができます。

次回は、小さな習慣が他の習慣と比べてどこが優れているのかをみていきたいと思います。


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